臨床神経研究部

部長     濱野 利明
Director   Toshiaki Hamano, MD, PhD

関西電力医学研究所 臨床神経研究部 部長
関西電力病院 神経内科 部長

研究テーマ

①神経変性疾患の前駆症状としてのレム睡眠行動異常症(RBD)患者と家族への有効なフォローアップ体制の検討

(睡眠医学研究部との共同研究)

RBDは睡眠中に夢に支配された行動のために患者本人や家族が怪我をしたり、家族が睡眠を妨げられたりすることを特徴とするパラソムニアの一種であるが、近年、長期にわたってRBDの経過を追うと、パーキンソン病やレビー小体型認知症を高率に発症することがわかってきた。しかし、その発症が近い将来なのかどうかについての予測は困難であり、初期の時点から画一的に発症の危険性を伝えることは、患者と家族の不安を増すことにもつながり、どういった形で対応するかは大きな課題である。RBD患者を長期にフォローアップしていくことによって、どのような精神症状、神経症状、認知機能の問題が出てくるかを経時的にとらえ、RBD診断確定後の外来通院時に生じる諸問題について分類し、有効な対応策を抽出する。

②ナルコレプシー類似の過眠症の病態解明

(睡眠医学研究部との共同研究)

日中の過度の眠気(EDS)を示す過眠症疾患群のうち、中枢神経系に原因があるものとしてはナルコレプシーが一番良く調べられており、情動脱力発作を示すI型ナルコレプシーについては、オレキシン欠損症として説明され、髄液オレキシン測定により確定診断が可能となりつつある。しかし、情動脱力発作のないⅡ型ナルコレプシーについては、オレキシン値が正常であることが大部分であり、この方法では診断ができず、睡眠潜時反復測定検査(MSLT)を用いて入眠期にレム睡眠の出現を確認することが必要である。加えて、睡眠時間を8-9時間確保してもEDSが改善せず、MSLTを実施してもナルコレプシーと診断できない若年患者群があり、発達障害との関連が指摘されている。I型ナルコレプシー以外の過眠症疾患群について、古典的な睡眠検査以外の諸検査を加えることによって、新たな疾患分類を開発し、病態解明につなげる
 

最近の代表的な論文

著者 論文題目
Koji Tsuzaki, Kentaro Tatsuno, Manabu Inoue, Naoko Tachibana, Toshiaki Hamano Acute complete bilateral ophthalmoplegia and ptosis without ataxia or areflexia associated with serum anti-GQ1b antibody.
Manabu Inoue, Masayoshi Yamamoto, Koji Tsuzaki, Toshiaki Hamano, Hiroaki Etoh, Hiroshi Shibasaki Large fasciculation can clinically manifest as spinal myoclonus; electromyographic and dynamic echomyographic studies of four cases with motor neuron disease.
Manabu Inoue, Yasuhiro Kojima, Masutaro Kanda, Koji Tsuzaki, Yoko Shibata, Toshiaki Hamano, Hiroshi Shibasaki A case of bulbospinal muscular atrophy with large fasciculation manifesting as spinal myoclonus.
Koji Tsuzaki, Takashi Nakamura, Hiroyuki Okumura, Naoko Tachibana, Toshiaki Hamano Rheumatoid meningitis occurring during etanercept treatment.

 

2018年度業績

原著論文(英語/日本語)

著者 タイトル 掲載誌名
掲載号等・掲載年
Makio Takahashi, Hayato Tabu, Akihiko Ozaki, Toshiaki Hamano and Takao Takeshima Antidepressants for Depression, Apathy, and Gait Instability in Parkinson’s Disease: A Multicenter Randomized Study Intern Med Advance Publication
DOI: 10.2169/internalmedicine.1359-18
Koji Tsuzaki, Hitoshi Someda, Manabu Inoue, Naoko Tachibana and Toshiaki Hamano Remission of CIDP after hepatitis C virus eradication with sofosbuvir and ledipasvir therapy. Muscle Nerve
20 July 2018 https://doi.org/10.1002/mus.26182

 

メンバー

部長 濱野 利明
研究員 津崎 光司
研究員 上原 尚子