医学教育研究部

部長     東山 弘子
Director   Hiroko Higashiyama, PhD

関西電力医学研究所

研究部概要

医学教育研究部では,糖尿病・腎臓病・肝臓病など慢性疾患患者に対する教育指導方法の検討,資材の開発,アウトカムの評価についての研究を行います.チーム医療を推進し,医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,理学療法士,臨床検査技師など,各医療スタッフが患者と家族の個別性に合わせた適切な療養環境を提供し,継続して支援していけるよう多角的なアプローチを模索します.さまざまな職種の能力を活かして,それぞれの疾患とともに歩む患者さんが,明るく前向きに人生を楽しめるよう,サポートし続けることが私たちの目標です。

研究テーマ

① 「ストレス」と「ウエルビーイング」を指標とする糖尿病の心理学的アセスメントの開発と活用

(1) 糖尿病の病態の「医学的指標」はHbA1cである。糖尿病医療には、医学的指標だけでなく、患者の生きる現実が読み取れる「心理学的」指標の並立が必要であるとの視点に立ち、エヴィデンスとして有効な心理学的指標となりうるアセスメントを開発し、HbA1cとの総合的見立ての可能性を探求する。
(2) 医学的指標と心理学的指標によって糖尿病者の患者像を類型化し、糖尿病患者の精神構造の解明し、療養教育に従事する医療者が患者の治療効果、行動変容、人格変容を評価する基準としうるガイダンスを作成する。

② 糖尿病者を対象とする療養教育プログラムの構築

医学的な視点からの食事改善,生活改善とともに、臨床心理学および教育学の視点を導入した学際的な療養教育プログラムを開発・実践し,その効果を検証することを目的とする。具体的には、グループ学習による「カンバセーションマップ」および「カードシステム」のプログラムの実践に関わるファシリテーターの、日本人の文化特性を加味した独自の手法による療養教育プログラムの構築を目的とする。

③ 糖尿病とともに生きる高齢糖尿病患者の「ライフサイクル課題」と「自己アイデンティティの迷い」への支援に関する臨床心理学的アプローチ

ライフサイクル理論に基づき、糖尿病者の「糖尿病を抱えて生きるライフサイクルの課題」についての論及を行う。人生90年時代を生きる課題は、とくに中年期以降高齢者にとって、よりよく生きるためには、糖尿病の治療だけでなく、新しいアイデンティティの獲得が大きな課題である。体力の減退、認知症その他さまざまの喪失体験のなかで糖尿病療養をどのように実践するべきかについて考えることは、急を要するテーマである。
具体的研究方法は、臨床心理士を中心とする半構造的面接法および心理療法、事例研究によって構成される。

平成28年度業績

原著論文(日本語)

著者 タイトル 掲載誌名
掲載号等・掲載年
東山 弘子他 ストレスチェックによる中学生の心の揺れの実態把握とスクールカウンセリングによるその活用(5) 佛教大学教育学部学会紀要
第16号、149-160,2017

 

学会発表・講演

会名称 発表テーマ 発表者
日時 場所
DF-WPR Congress 2016&8th AASD Scientific Meeting Mental States of Individuals with Type 2 Diabetes  by Psychological Assessments Hiroko Higashiyama
2016年10月30日 Taipei
第20回日本病態栄養学会年次学術集会 シンポジウム「療養指導教育の対象は患者?医療者?」 シンポジスト;石井均教授、東山弘子
2017年1月15日 京都

 

研究助成金

財団名 研究課題 氏名 助成額
文科省科学研究費助成事業 平成29年度(2017年度)基盤研究(c)平成29年度~平成31年度 「糖尿病者のライフサイクル課題と療養指導教育プログラムの構築」 東山弘子 (研究代表) 330万円

 

平成27年度業績

原著(単著)

著者 タイトル 掲載誌名
掲載号等・掲載年
東山 弘子 糖尿病者の抱える心理的課題―人生後半を生きる自己アイデンティティの迷い 関西電力病院医学雑誌第47巻
73-78,2015

 

学会発表・講演

会名称 発表テーマ 発表者
日時 場所
日本学校メンタルヘルス学会 「ストレスチェックシート」による中学生の心の揺れの実態調査とスクールカウンセラーによるその活用(1)~(5) 東山弘子(学会長賞受賞)
2016年1月30-31日 東京
第4回地域の糖尿病診療を課が得る会 糖尿病者の心の処方箋 東山弘子
2015年11月8日 大阪

その他 日本糖尿病協会、カンバセーションマップ研修会講師

メンバー

部長 東山 弘子
副部長 田中 永昭
研究員
客員研究員