統合生理学研究センター 統合生理学研究部

部長     矢田 俊彦
Director   Toshihiko Yada, PhD

関西電力医学研究所 統合生理学研究センター センター長
関西電力医学研究所 統合生理学研究部 部長
神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学 客員教授
自治医科大学 名誉教授・客員教授
鹿児島大学 客員教授

研究部概要

統合生理学研究部では、摂食、糖代謝、エネルギー代謝の調節機構を、末梢(食事、胃腸膵肝)—中枢連関の視点に立ち、

特に求心性迷走神経と脳の役割から解明することを目指しています。

さらに、この視点から、糖尿病、肥満、フレイルの成因を明らかにし、現在の治療の学術基盤の提出、新規治療の開発を目指しています。

研究テーマ

① 摂食・中枢性糖代謝調節機構の解明

求心性迷走神経による、末梢情報(食事、胃腸膵肝)の受容と脳(摂食・代謝中枢)への伝達機構の解明をめざします。

特に、インクレチン、インスリン、グルコース、グレリン、食品成分に注目して研究を進めています。

② 希少糖アルロースによる摂食・糖代謝調節と糖尿病・肥満・過食の改善

希少糖のD-Allulose(アルロース、プシコース)はゼロカロリー甘味糖であり、経口投与により、食事性や遺伝性のメタボ動

物の肥満・糖尿病・摂食リズム障害を改善します。その作用にGLP-1と求心性迷走神経が関与しており、さらなるメカニズム

の解明と代謝疾患改善への応用をめざします。

摂食リズム障害の改善、肥満・糖尿病の改善

図1。希少糖D-Allulose(アルロース)経口投与による摂食抑制、耐糖能向上と、メタボ動物への長期投与による肥満・糖尿

病・摂食リズム障害の改善

③ インクレチンの多様な作用とメカニズム

インクレチン関連薬の臨床成績から、GLP-1、GIPの多様な作用、新規作用が示唆されています。

それらの作用メカニズムを解析し、本研究所の臨床部門とも連携して新規作用と治療効果を明らかにします。

④ 食欲不振・フレイルの改善

高齢者のサルコペニア、フレイル(心身機能の低下)は大きな医学的・社会的問題になっています。

これらの上流に食欲不振があります。

漢方薬の人参養栄湯や食品成分による食欲不振・フレイルの改善の基礎〜臨床展開研究を行います。

最近の代表的な論文

著者 論文題目
Iwasaki Y, Yada T, Sendo M, Dezaki K, et al. GLP-1 release and vagal afferent activation mediate the beneficial metabolic and chronotherapeutic effects of D-allulose.  Nature Communications.
Teratani T, Yada T, Iwasaki Y, Kanai T, et al. The liver-brain-gut neural arc maintains the Treg cell niche in the gut. Nature.
Goswami C, Dezaki K, Wang L, Inui A, Seino Y, Yada T. Ninjin-yoeito activates ghrelin-responsive and unresponsive NPY neurons in the arcuate nucleus and counteracts cisplatin-induced anorexia.

 

2020年度業績

原著論文(英語/日本語)

著者 タイトル 掲載誌名
掲載号等・掲載年
Ranjan A, Choubey M, Yada T, Krishna A. Nesfatin-1 ameliorates type-2 diabetes-associated reproductive dysfunction in male mice. J Endocrinol Invest.
2020 Apr;43(4):515-528. doi: 10.1007/s40618-019-01136-0. Epub 2019 Nov 5.
Goswami C, Dezaki K, Wang L, Inui A, Seino Y, Yada T. Ninjin’yoeito targets distinct Ca2+ channels to activate ghrelin-responsive vs. unresponsive NPY neurons in the arcuate nucleus. Frontiers in Nutrition, section Clinical Nutrition.
2020 Jul 17;7:104. doi: 10.3389/fnut.2020.00104. eCollection 2020.
Teratani T, Yada T, Iwasaki Y, Kanai T, et al. The liver-brain-gut neural arc maintains the Treg cell niche in the gut. Nature.
2020 Sep;585(7826):591-596. doi: 10.1038/s41586-020-2425-3. Epub 2020 Jun 11.
Yamamuro D, Takahashi M, Nagashima S, Wakabayashi T, Yamazaki H, Takei A, Takei S, Sakai K, Ebihara K, Osuga J, Iwasaki Y, Yada T, Ishibashi S. Peripheral circadian rhythms in the liver and white adipose tissue of mice are attenuated by constant light and restored by time-restricted feeding. PLoS One.
 2020 Jun 12;15(6):e0234439. doi: 10.1371/journal.pone.0234439. eCollection 2020.
Ogata K, Ataka K, Suzuki H, Yagi T, Okawa A, Fukumoto T, Zhang B, Nakata M, Yada T, Asakawa A. Lavender Oil Reduces Depressive Mood in Healthy Individuals and Enhances the Activity of Single Oxytocin Neurons of the Hypothalamus Isolated from Mice: A Preliminary Study. Evid Based Complement Alternat Med.
2020 Jul 14;2020:5418586. doi: 10.1155/2020/5418586. eCollection 2020.

 

総説(日本語)

著者 タイトル 掲載誌名
掲載号等・掲載年
岩﨑有作、矢田俊彦 末梢‐中枢オキシトシン連間による過食・肥満・糖尿病改善作用 糖尿病・内分泌代謝科
51(1), 28-35, 2020
矢田俊彦、王磊 人参養栄湯による食欲促進とメカニズム:抗フレイルのストラテジー 糖尿病・内分泌代謝科
51(1), 42-46, 2020

 

学会(国内)招待講演、シンポジウムのみ記載

会名称 発表テーマ 発表者
日程 場所
第37回和漢医薬学会学術大会シンポジウム 人参養栄湯による食欲中枢活性化と摂食・体重低下の改善 矢田俊彦
2020.8.29 オンライン
第4回フレイル漢方薬理研究会学術集会 人参養栄湯による食欲不振の改善とNPY神経活性化の分子機構 矢田俊彦
2020.9.26 東京
第4回フレイル漢方薬理研究会学術集会 人参養栄湯による食欲不振の改善とNPY神経活性化の分子機構 矢田俊彦
2020.10.10 神戸

 

受賞

団体名 表彰名 受賞者
児玉記念基礎医学研究助成基金 優秀論文賞 矢田俊彦
日本肥満学会 学会賞 矢田俊彦
日本内分泌学会 EJ優秀論文賞 矢田俊彦

 

メンバー

部長 矢田 俊彦
研究員 王 磊
研究員 韓 婉昕
客員研究員 RAKHAT YERMEK