消化器・肝臓病研究部

部長     染田 仁
Director   Hitoshi Someda, MD, PhD

関西電力医学研究所 消化器・肝臓病研究部 部長
関西電力病院 消化器センター長

研究テーマ

①肝疾患関連

(1)脂肪肝(NAFLD:non-alcholic fatty liver disease)、脂肪性肝炎(NASH:non-alcoholic steatohepatitis) の病態、診断と予後

現在脂肪肝の非侵襲的診断にはB-mode
US画像、CT値による診断があるが、前者は主観が入り、後者には放射線被爆という問題がある。そこで、初めに超音波elastographyと定量的な脂肪含有係数測定機能を有するFbroScanによるNAFLD診断の信頼性を組織所見と比較検討する。この信頼性を確認した後

(a)脂肪肝の優位な危険因子である糖尿病の患者の中で脂肪肝を合併する患者の特徴を明らかにする。診断は超音波B-mode、elastographyを用い、血清学的検査と比較検討する。

(b)NAFLD患者のなかでNASHを発症する患者の特徴を明らかにする。

(c)FbroScanを用い、脂肪性肝炎の診断の可能性を病理組織と比較研究する。

(d)NAFLD患者におけるNASH進展予測因子の解析をする。

(2)肝硬変に対する治療:介在研究

カルニチンは低分子量のアミノ酸誘導体で、エネルギー代謝、脂肪酸のミトコンドリアへの輸送、CoA(補酵素A)による代謝反応の制御、赤血球膜の安定化などの生理機能に必須の生体内構成成分である。カルニチンを合成する主要な器官は肝で慢性肝疾患患者ではカルニチン代謝は障害される傾向にある。

カルニチンがウィルス性肝硬変に対し有効であるという小さな規模の研究報告はあるが非ウィルス性肝硬変における介在研究はない。そこで非ウィルス性肝硬変患者における投与群と非投与群の比較試験を行う。

②神経内分泌腫瘍関連

『膵NEC・MANECの網羅的遺伝子解析』:京大消化器内科と、当研究所外科部門との3施設共同研究

Neuroedocrine
CarinomaはWHO分類ではG3と位置づけられているが、「NETより」のものと「小細胞癌より」のものが混在していることが大きな問題となっている。今回の研究は最新技術により過去のホルマリン固定パラフィン包埋サンプルから網羅的な遺伝子解析を目指す。

最近の代表的な論文

著者 論文題目
Kato Y, Azuma K, Someda H, Shiokawa M, Chiba T Case of IgG4-associated sclerosing cholangitis with normal serum IgG4 concentration, diagnosed by anti-laminin 511-E8 antibody: a novel autoantibody in patients with autoimmune pancreatitis. Gut 2020;69:607-609
加藤優花里、東恵史朗、池上華菜子、北川智也、三谷恒雄、染田 仁、池田一毅、魚瀬 優、中村武史、千葉 勉 ST合剤による薬剤過敏症症候群(DHIS)の経過中にサイトメガロウイルス食道炎を合併し不幸な転帰をたどった1例
日本内科学会誌 109巻5号 2020年

2021年度業績

原著論文(英語/日本語)

著者 タイトル 掲載誌名
掲載号等・掲載年
Takaaki Eguchi, Kazuki Ikeda, Hitoshi Someda et al. Reducing the risk of developing walled- off necrosis in patients with acute necrotic collection using recombinant human soluble thrombomodulin J Hepatobiliary Pancreat Sci.
2021;28:788-797

メンバー

部長 染田 仁
特別研究員 池田 一毅