心臓・血管(循環器)研究部

部長     石井 克尚
Director   Katsuhisa Ishii, MD, PhD

関西電力医学研究所 心臓・血管(循環器)研究部 部長
関西電力株式会社 本社健康管理室 所長
関西電力病院 心臓超音波診断部 顧問

研究テーマ

新しい2次元スペックル・トラッキング心エコー法を用いた急性期胸痛患者に対するトリアージの有用性を検討する前向き試験

<研究の経緯・目的>
急性冠症候群に対しては特にハイリスク群において早期の冠動脈造影・血行再建が予後改善に有効であることが報告されている1),2),3)。リスク予測因子としてはTIMIリスクスコアやGRACEスコアの中で、心電図変化や心筋逸脱酵素、症状などがあげられる1),2),3),4)。しかし急性冠症候群は様々な臨床症状を呈することがあり、時として血液検査や心電図 など客観的な異常が急性期には捕えられないことがある。また心電図や心筋逸脱酵素は偽陽性となることも日常よく経験する。そのため急性冠症候群ではなくただの胸痛症候群に対しても、侵襲的な検査や入院による経過観察がなされたりすることが多々あるのが現状といえる。現在の日常臨床においては一定の確率で急性冠症候群に対する偽陽性・偽陰性が発生するのは不可避であり、さらなる非侵襲的で迅速・簡便な診断ツールの確立が望まれている。近年急性冠症候群の急性期診断に対してBMIPP心筋シンチグラフィーや冠動脈CTの有用性が報告されている5),6)。これらの検査は侵襲度としては高くはないと考えられるが放射線被ばくやヨード造影剤の使用といった点において無侵襲というわけではない。
石井らは、2次元スペックルトラッキング心エコー図法による狭心症発作後の局所心筋拡張運動遅延(diastolic
stunning)により心筋虚血を診断でき、またその異常は虚血解除後24時間後でも残存すると報告している7),8)。つまりこれは受診時、他覚所見に乏しい胸痛症例においても、真のACSの場合、胸痛消失後24時間以内であれば2次元スペックル・トラッキング心エコー図法による解析から虚血を検出でき、早期診断に有用であると考えられる。またこれは無侵襲かつ簡便であり、先に示した従来の検査法に比しても有用性が高い。そこで我々は他覚所見に乏しいACS群疑いの症例に対する2次元スペックル・トラッキング心エコー図法の有用性を検討する試験をデザインした。

最近の代表的な論文

著者 論文題目
Yusuke Yoshikawa , Hiroki Shimoi, Katsuhisa Ishii, Takesi Kimura,on behalf of the CREDO-Kyoto PCI/CABG
Registry Cohort-2 and Cohort-3 Investigators
Stent-Related Adverse Events as Related to Dual Antiplatelet Therapy in First- vs Second-Generation
Drug-Eluting Stents

 

2021年度業績

原著論文(英語/日本語)

著者 タイトル 掲載誌名
掲載号等・掲載年
Ko Yamamotoa, Masahiro Natsuakib, Takeshi Morimotoc, Hiroki Shiomia, Neiko Ozasaa,Hiroki
Sakamotod, Takashi Uegaitoh, Katsuhisa Ishii, and Takeshi Kimura on behalf of the CREDO-Kyoto PCI/CABG
Registry Cohort-3 investigators
Effect of Polypharmacy on Long-Term Mortality AfterPercutaneous Coronary Intervention Am J Cardiol
2021;159:19−29
Yasuaki Takeji,Hiroki Shiomi,Takeshi Morimoto ,Yusuke Yoshikawa,Ryoji Taniguchi,Yukiko
Mutsumura-Nakano,Katsuhisa Ishii, Takesi Kimura,The CREDO-Kyoto AMI Registry Wave-1 and the CREDO To
cite: Takeji Y, Shiomi H, Kyoto AMI Registry Wave-2 Investigators
Changes in demographics, clinical practices and long-term outcomes of patients with ST
segment-elevation myocardial infarction who underwent coronary revascularisation in the past two
decades: cohort study
. BMJ Open
2021;11:e043683. doi:10.1136/bmjopen-2020-043683
Masahirao Natuaki, Takeshi Morimoto, Hiroshi Shiomi,Katsuhisa Ishii, Takesi Kimura,on behalf
of the CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-3 Investigators
Application of the Modified High Bleeding Risk Criteria for Japanese Patients in an
All-Comers Registry of Percutaneous Coronary Intervention
Circulation Journal Circ J
2021; 85: 769–781
Ko Yamamotoa, Masahiro Natsuakib, Takeshi Morimotoc, Hiroki Shiomia, Neiko Ozasaa,Hiroki
Sakamotod, Takashi Uegaitoh, Katsuhisa Ishii, and Takeshi Kimura on behalf of the CREDO-Kyoto PCI/CABG
Registry Cohort-3 investigators
TIschemic and Bleeding Events After First Major Bleeding Event in Patients Undergoing
Coronary Stent Implantation
Yusuke Yoshikawa , Hiroki Shimoi, Katsuhisa Ishii, Takesi Kimura,on behalf of the
CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-2 and Cohort-3 Investigators
Stent-Related Adverse Events as Related to Dual Antiplatelet Therapy in First- vs
Second-Generation Drug-Eluting Stents
JACC: Asia
2021;1:345–356

 

総説(日本語)

著者 タイトル 掲載誌名
掲載号等・掲載年
石井克尚, 江藤博昭 Global vascular managementにおけるSONON300Lの活用 映像情報Medical
53 (6) 29-35, 2021.

 

学会(海外)招待講演、シンポジウムのみ記載

会名称 発表テーマ 発表者
日程 場所
Echo Seoul and Cardiac Imaging 2021 No more chest pain: Ischemic memory imaging with speckle tracking echo Katsuhisa Ishii
2021.9.11-12 韓国(ソウル)

 

学会(国内)招待講演、シンポジウムのみ記載

会名称 発表テーマ 発表者
日程 場所
Tokyo Physiology 2021 by FRIENDS Live 負荷心エコー法の底力 石井克尚
2021.3.13 Web
第9回日本くすりと糖尿病学会 シンポジウム3:循環器疾患抑制を見据えた糖尿病治療戦略 石井克尚
2021.9.21 Web
心不全合併糖尿病地域連携会 患者中心の心不全ネットワーク 石井克尚
2021.4.16 大阪
バイエル心不全と栄養 慢性心不全患者における栄養評価と食事療法 石井克尚
2021.11.13 京都
New Treands in SGLT2 inhibitor 心不全治療薬としてのSGLT2阻害薬のインパクト 石井克尚
2021.7.21 大阪
第32回日本心エコー図学会 パネルディスカッション1:スペックルトラッキング心エコー法を用いた左室局所壁運動の定量的評価 石井克尚
2021.4.23-25 Web
日本における心不全治療の新たな展開ーBefore ARNI vs With ARNIー ショートレクチャー&ディスカッション
使用経験から学ぶ~エンレストの導入について~
宇佐美俊輔
2021.6.3 大阪
ARNI Expert Meeting -エンレストを導入すべき患者さんについて議論する- ディスカッション ARNIが適した患者さんとは?実際の症例を交えて 宇佐美俊輔
2021.6.22 大阪
第7回日本心臓リハビリテーション学会近畿地方会 今後の心臓リハビリテーション 宇佐美俊輔
2022.2.25 大阪
フォシーガ心腎連関セミナー 慢性心不全・慢性腎臓病治療について考える 宇佐美俊輔
2022.3.25 大阪
IN.PACT Admiral症例検討会 座長 浅田聡
2021.05.20 Web
第3回K-SG研究会 パネリスト 浅田聡
2021.12.18 Web

 

メンバー

部長 石井 克尚
上級特別研究員 浅田 聡
上級特別研究員 宇佐美 俊輔
客員研究員 吉田 和弘