2017.04.24
関西電力医学研究所では、臨床研究にご協力いただける別に定める事業所におつとめの関西電力健康保険組合加入者を募集しています。ご協力いただける方は、下記研究責任者にお問い合せください。皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
研究課題名
糖尿病ハイリスク者に対する食事指導に関する研究:「食べる順番」療法、「スマート和食」療法、従来療法の比較
関西電力病院 倫理委員会 受理番号:第29-02号
概要
食後に著しく血糖値が上昇することが、脳梗塞や心筋梗塞などの発症リスクと関連する可能性が示唆されています。そのため、こうした病気を予防するために食後高血糖の是正が重要な課題とされてきました。特に、日本人は他民族と比較して、血糖値を下げるインスリンというホルモンの量が少ないため、標準的な体型をされている方でも、食後に血糖値が上昇しやすい傾向があります。そのため、糖尿病をもたない方でも、食事内容や食事方法を工夫して、食後の血糖値の上昇を予防しつつ、適正体重を維持することが大切とされます。
適正な食事療法において、摂取エネルギーの適正に加えて、「栄養バランス」の重要性が指摘されてきました。特に、脂質や食物繊維の摂取量に配慮することが、内臓脂肪を減らし、糖尿病の発症を予防することにつながると考えられています。しかし、「栄養バランス」の適正化を行うには栄養学に関する一定の知識を必要とするため、継続して実践することが困難とされてきました。こうした問題に対して、「栄養バランス」を簡便に適正化するための方法として「スマート和食」療法(花王株式会社)が開発されました。これまでの研究により、「スマート和食」療法が体重や内臓脂肪の減少に有効であることが確認され、食後血糖の是正や糖尿病発症予防の観点からも注目をされています。
一方、最近、食後の高血糖を是正する食事療法として「食べる順番」が注目されています。2型糖尿病患者や健常者に対して、1)食物繊維を含む食品(サラダ等)、2)たんぱく質や脂質を含む食品(魚料理等)、3)炭水化物を含む食品(米飯等)の順番で喫食することで、食後高血糖が是正されることが確認されています。特に、たんぱく質や脂質を含む食品を、炭水化物を含む食品に先んじて摂取することで、glucagon-like peptide-1(GLP-1)と呼ばれる消化管ホルモンの分泌が促進されます。GLP-1は、インスリンの分泌を高めると共に胃の動きをゆるやかにすることで食後の血糖上昇を是正しますさらに、GLP-1は、食欲抑制効果を有するため、減量効果をもたらすと考えられています。従って、「食べる順番」を日々の生活で実践することで、食後血糖の是正はもちろん、適正体重の維持が可能になり、ひいては糖尿病の発症予防につながると期待されています。
こうしたことから、食後高血糖の存在が疑われる糖尿病ハイリスク者(空腹時血糖値126 mg/dL未満、HbA1c 5.6 %以上、BMI 18以上、30以下)を対象とした保健指導において、「食べる順番」療法と「スマート和食」療法について、食後血糖の是正や糖尿病発症予防に関する有効性を検討すると共に、従来群と比較検討し、日常生活の中で長期に継続可能な食事療法の食事指導に関するエビデンスを確立するために本研究を計画します。
試験の詳細な内容や、試験参加に伴うあなたの利益・権利およびその他必要な事項につきましては、担当者よりご説明差し上げます。その内容を十分に理解されたうえで、この試験に参加するかどうか、あなたの自由意思で決めていただくことができます。試験参加を辞退いただいた場合でも、あなたが不利な扱いをうけることはありません。
尚、この試験の実施については、関西電力病院 倫理委員会にて、試験の科学性と倫理性を厳密に審査され、承認されています。また、本臨床研究は花王株式会社と研究代表者の契約に基づく資金提供により実施されます。研究実施責任者、研究分担者は、花王株式会社から一切の資金提供を受けていません。
募集期間
参加者予定人数に達した場合、ご参加をお断りすることがございますのでご了承ください。
参加者を募集する事業所
関西電力株式会社・本店
〒530-8270 大阪府大阪市北区中之島3丁目6番16号
株式会社関電エネルギーソリューション・本社
〒530-0005大阪市北区中之島2丁目3番18号中之島フェスティバルタワー
関電プラント株式会社・本店
〒531-8502 大阪市北区本庄東2丁目9番18号
株式会社環境総合テクノス・本店
〒541-0052大阪市中央区安土町1丁目3番5号
研究事務局
関西電力医学研究所
副所長 矢部大介
〒650-0047 神戸市中央区港島港町1-5-6
Tel: 078- 303-6090 Fax: 078- 303-6090
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