2020.11.02
糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬がインフルエンザに有効か:GLP-1シグナルを高めることが様々な呼吸器感染症の予防・治療にも効果が期待
【ポイント】
*糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬は肺において様々な抗病原体因子を網羅的に上昇させることを示した。
*GLP-1受容体作動薬は肺において自然免疫を活性化することを示した。
*GLP-1受容体作動薬はインフルエンザウイルス量を減らすことを示した。
*消化管シグナルGLP-1の活性を高めることは様々な呼吸器系感染症の予防・治療に有効であることが期待される。
【概要】
関西電力医学研究所 所長/関西電力病院 総長 清野 裕、関西電力医学研究所 糖尿病研究センター長/関西電力病院 副院長 山田 祐一郎、秋田大学大学院医学系研究科 助教 佐藤 雄大らの研究グループは、インクレチンの一つであるGLP-1の活性を高めることがインフルエンザに有効であることを、マウスを用いた研究で明らかにしました。
GLP-1を活性化すると、様々なウイルスや細菌などに有効とされるInterferoninducible GTPase群を肺の中で増加させ、
さらには自然免疫を活性化したことから、インフルエンザ以外のさまざまな呼吸器感染症の予防や治療に向けたGLP-1の
可能性に期待がもたれます。
本研究成果は、2020年10月31日に米科学雑誌「Endocrinology」(オンライン版)で公開されました。
添付ファイル
PDFはこちら
新着情報一覧